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エネルギー消費データⅡ 一次エネルギー供給

IEAの図から始めます

このページの理解には、最終エネルギー消費のページを先に読まれることを、お勧めします。

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最終エネルギー消費の説明をIEAの図から始めました。一次エネルギー供給の説明もIEAの図から始めましょう。

右の図は2016年の日本のエネルギー消費を、一次エネルギーから示した物となっています。この図もIEAのHPに自分で入って、直接見てもらうことをお勧めします。日本の最終エネルギー消費を見るとき、国をJapanで選んだ後、BalanceとFinal consumptionから選択しましたが、Balanceを選択すればこの図がでます。図の一番左を見てください。電気がないでしょう。電気は一次エネルギーではなく、何かのエネルギーから精製されなければならない、二次エネルギーとなっているからないのです。この図で、一番左にあるのが、一次エネルギーになります。

左の一番上が石油(oil)ですがimp(輸入)とprod(国内生産)に分かれたものが、合流します。石油も石炭も天然ガスも、prodは恐ろしく細く、impは逆に非常に太いことが解ります。そして石油、石炭、天然ガスが、他の一次エネルギーを大きく引き離して、太い線になっています。現代日本は、この三種の化石燃料に強く依存し、またそれもほとんどを輸入に頼っているのです。この有様が長期間続いているので、皆当たり前と考え、深く考えることをしませんが、後の世の人が不思議に思うほど、異常なことであることは間違いありません。他の国ではこのようにprodの割合が小さい国はなく、半分以上はprodで持っている国が通常なのです。

図の解釈を続けましょう。顕著なことがあります。右に見ていくにしたがって、ちょうど中央あたりに大きな分岐が、石炭とガスに起こります。そして大部分がpower stationに流れます。これはエネルギー製造所、日本の場合熱供給がほとんどありませんから、power stationは発電所を意味します。輸入された大量の石炭や天然ガスの大部分が、発電所に送られ電気に代わります。その量を見てみましょう。power stationの上でクリックすると、グラフと値が表示されます。その量は189.6Mtoeです。一方電気を現す青い線が右に出てきますが、その値を読むと、90.4Mtoeとなっています。差し引き99.2Mtoeのエネルギーロスがありますが、これが発電効率を表しています。エネルギー保存則から、エネルギーは変換することが出来るが、量は変わりません。189.6Mtoeのうち、90.4Mtoeが電気エネルギーに変わりました。残りは熱エネルギーとなります。ほぼ100Mtoeの熱エネルギーは、熱エネルギーとして、発電所近くの海に捨てられているのです。ここでの図でも、power stationの右下にpower lossesとして電力を現す線とほぼ同じ太さで下向きに線が流れています。

近年日本近海の海水温が上昇していますが、この主原因は、発電の際の熱エネルギー放出にあると考えるべきであると思います。もちろん大手電力会社は、そのようなことを一言も言いませんが。しかし日本近海の温度上昇は、理科年表に事実として掲載され、2℃を越えるところもあります。そして海水温の上昇が引き起こすのは、水温上昇を嫌う魚の、日本近海からの逃避であり、また日本近海での台風の強化であることは、常識的な理科の知識が教えてくれることです。

改善策は?

改善策はあるのでしょうか?

大変だけどもちろんあります。発電所からの排熱を減らせば良いのです。

一番悪いのは原発です。原発はこの意味でもやめるべきでしょう。原発は効率が良いと人は思いがちですが、原発の平均効率は1/3ほどで、2/3は熱として海に捨てられています。2016年のデータから見ると、power stationをクリックすれば、水力は6.8Mtoe、核は4.7Mtoeの量が一次エネルギーとして消費されています。風力や水力での発電では、一次エネルギーは発生する電気エネルギーと同じであると、IEAでは統計を取っていますから、(要は一次エネルギーの定義が難しい)、水力では6.8Mtoeの発電量があった訳です。水力発電は、海に熱を流すことはしません。一方原発での4.7Mtoeのうち、電気に変わったのは1.6Mtoeだけであり、3.1Mtoeの熱が海に捨てられました。鳴り物入りで再稼働した原発は、2016年の日本の電力の約3%を供給しただけであり、大して役に立っていないのです。

更なる改善策は?

更なる改善策は、電気エネルギーの消費を下げることです。最終エネルギー消費のページで指摘したように、日本は異常に電気依存率が高いのです。ドイツが19%程度であるのに対し、日本は29%にのぼります。これを何とかしましょう。

電気に変えた方が良い物もあります。石油を使う自動車を電気で移動するものに変えていく。当会が主張するLRTもその一環です。LRTに対して、電気自動車で良いじゃないかという意見は、必ずと言っていいほど出ます。しかし最終エネルギー消費のページで示したように、電気自動車はエネルギー消費の実態から見て、全く普及していない。

また、運輸部門のエネルギー消費で見て解るように、鉄道で使われている電気エネルギーは、非常に小さいことが解ります。道路を走る自動車ではなく、鉄道を走る電車であるからこそ、根本的に省エネが達成されるのです。バスでなんとか済ますという発想は、時代遅れだと知りましょう。

このページと最終エネルギー消費の二つのIEAの図の関係

このページのIEAの図と、最終エネルギー消費のページのIEAの図を見比べてみましょう。

もし貴方がIEAのHPで図を見ているなら、二つの図の比較は簡単にできます。左のメニューのJapanの下にある、BlanceとFinal consumptionの選択を、切り替えれば図が直ちに切り替わります。

すぐ解ると思いますが、最終エネルギー消費の図は、このページの図の右半分、それもpower stationの右から切り離したものになっています。もちろん単に切り離すだけではなく、細部を精密に解るように作ってあります。良く出来たIEAの工夫です。

このページは、最終エネルギー消費のページと会わせ読むことで、理解が深まります。

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ここまで読んでいただいた貴方、もうエネルギーのいっぱしの評論家に負けない知識を得ておられます。なにしろIEAのデータを見ることなく、エネルギーに対する議論が飛び交う国ですから。この良く出来たIEAの図から、世界のそしてオイルショック以来の、エネルギー消費の実態を探索し、エネルギーを通して未来を考えるということを、是非とも始めて下さい。

IEAのデータの解説を、とりあえずこのあたりで止めますが、不十分なところは、今後機会を見て、継続していきます。

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