ホーム温暖化とエネルギーエネルギー消費データⅡ 一次エネルギー供給

エネルギー消費データⅡ 一次エネルギー供給

一次エネルギーとは

世界は自然エネルギー未来社会に向かっている。しかし日本はそれに背を向け、世界の後進国になり始めている。

それをより良く理解し、その状態を克服するために、エネルギーについての理解を深めなければなりません。

このページでは、エネルギー消費構造を理解するのに不可欠な、一次エネルギーという概念をご説明します。

一次エネルギーとは、元々のエネルギー源です。エネルギーといえば日本ではすぐ連想される電気は、一次エネルギーではありません。何故なら電気は何かのエネルギーから、発電されなければならないからです。

また大切なことは、一次エネルギーは科学技術の進歩では、作り出すことが出来ないものです。これを間違って理解しているために、多くの人がエネルギーについて、間違った期待をしているのです。

何故一次エネルギーが作り出せないのか? それはエネルギー保存則が説明してくれます。エネルギー保存則を平たく言えば次のようになります。エネルギーは形を変える、だがその量は変わらない。発電で考えて見ましょう。発電では一次エネルギー(の一部)が電気エネルギーに変わります。しかし発生した電気エネルギーは、エネルギー保存則から一次エネルギーを越えることはありません。当然ゼロのエネルギーが新しいエネルギーを生み出すことはありません。エネルギーがないところから、電気を作り出すことは出来ないのです。。

それでは一次エネルギーにはどのような物があるのでしょうか? それを次に見てみましょう。

世界の一次エネルギー総供給

右の図を見て下さい。IEA(International Energy Agency)のHPにある図をコピーした物です。一番簡単なのは下のURLをコピーし、ネットのアドレスとすれば、そのページにこの図が見つかります。

https://www.iea.org/data-and-statistics

上記URLで出てくる図が、右にある図と異なる場合は、次の手順で同じ図が現れるはずです。図の上に三つのメニューが左右に並んでいます。左にはenergy topic、真ん中にindicator、右にはcountry or regionとあります。この三つのメニューが、左からenergy supply, total primary energy supply(TPES) by source, worldとなっているか確かめて下さい。もし違う項目があれば、その項目の右のボタンを押せば、プルダウンメニューが降りてきますから、その中に上記の項目があるはずですから、それを選びます。それで右図が出てくるはずです。

この図は世界中で消費された一次エネルギーを、その種別にわけ、1990年から2017年までの値をグラフにしたものです。原図を見た方が解りやすいので、原図を見ながら、私の文の続きを読んで下さい。原図が読めない人は、右図をクリックすれば、拡大することが出来ます。

一次エネルギーの種別が色分けされて示してあります。一番上のうす青はcoalすなわち石炭、二番目の濃い青はnatural gasすなわち天然ガス、三番目の黄緑はnuclearすなわち核(原発燃料)、四番目の青緑はHydroすなわち水力、五番目の黄色はsolar,wind etcすなわち太陽光・風力・その他、六番目の薄茶はbiofuel and wasteすなわちバイオ燃料とごみ、七番目の濃茶はoilすなわち原油です。以上七種の一次エネルギーの内、1,2,7が化石燃料、3が核燃料、4,5,6が再生可能エネルギー(自然エネルギー)です。これ以外の種類の一次エネルギーは、未来永劫ないことをまず理解してください。

最近色んなことがネットで言われます。ネットで出回ることは、間違った情報も多いので気をつけなければならないことは、皆さんご存じでしょう。近年最重要視されている学部に経営学部があります。ある経営学部教授が次のようなことを書かれているのを発見して、全く困ったことだと思ったことがあります。次のような指摘でした。「エネルギー源は石炭、石油、天然ガス、核燃料と次々に見つかってきた。これからも見つかって行くに違いない・・・。」ここでエネルギー源とは一次エネルギーを指すのでしょうが、これは全く間違った話になります。エネルギーの一番大切な法則、エネルギー保存則を無視して、真逆のことを言っているわけです。しかし日本では多くの人がこのように思っています。だから日本は世界に遅れつつあるのです。

さらに化石燃料は石炭、石油、天然ガスだけです。これは固体、液体、気体の化石燃料です。大量にある地上の物質はすべてこの三態ですから、これ以外はないのです。ついでに言えば、シェールガスは天然ガス、シェールオイルは石油です。ただし通常の物に比べて、取り出しにくい場所にあるだけです。取り出しにくい場所にはもっと化石燃料はあるでしょう。でも取り出しにくいと言うことは、採掘にエネルギーもお金もかかるということです。そんなものを期待する方がおかしいと言えます。

さて右上の図から見て、現代は明らかに化石燃料時代と解ります。それも莫大な量です。

しかし一次エネルギーだけでみると判断を誤るという例も右上の図は表しています。三番目の核と四番目の水力の大きさを見てみましょう。核のほうが大きな貢献をしていると思うでしょう。

核も水力もほとんどが発電の為に使われます。そこでIEAから次の図を見てみましょう。右の二番目の図も、やはりIEAのHPから取ったものです。そのページを見るには次のように行います。

IEAのHPを見ている人は、図のすぐ上を見て下さい。一番左にenergy topicとあり、その右にindicator,さらにその右にはcountry or regionとあるでしょう。真ん中のindicatorの右をクリックし、プルダウンメニューを開きます。そのメニューから二番目のelecticity generation by sourceを選びます。そうすると右の二番目の原図が出てきます。

世界の一次エネルギー総供給の変遷

Electricity generation by source

この図を探査しましょう。世界の電気が何をエネルギー源として発電されているか、その量的な知識を与えてくれます。

IEAの原図を見ておられるなら、是非グラフの図の右上にカーソルを当てて下さい。そうすれば2017でcoalとあり、その値がGWhの単位で表示されます。そのカーソルを次々と下に持って行くと、oil,natural gas,biofuels,waste,nuclear,hydro,geothermal,solar PV, solar thermal,wind, tide, othersと数値を伴ってでてきます。世界の電源構成です。ちなみに日本では自然エネルギー発電ですぐ連想されるのはsolar PVですが、solar thermalもあるのです。太陽熱を利用した発電です。

これで解るとおり、発電に一番大きく貢献しているのは、石炭、それに次いで天然ガス、三番目は水力、四番目が核となっています。そして五番目に風力六番目に石油が来ます。さらにそれに続いてさまざまな自然エネルギー発電が、急速に増加していることが見て取れます。カーソルを左に移していけば、次々と前の年の値を読み取ることが出来ます。

総じて現代は化石燃料時代であると、電源構成からも見て取れます。化石燃料の内石油は電源としてはほとんど使われてはいません。何故なら石油は他にたくさんの使い道があるから、発電に使うのはもったいないのです。何より石油は精製してガソリン、軽油、灯油など直接液体燃料に使われることは、ちょっと考えれば解るでしょう。その辺の事情は最終エネルギー消費を理解しなければなりません。

⇒ 最終エネルギー消費のページに行く

また核時代と言われていますが、核は水力よりも貢献度が低いのです。化石燃料時代の後、核時代になるというのは、幻想に過ぎなかったことになります。そして自然エネルギー未来社会の兆しは、まだほんの芽に過ぎないが、今その芽は世界ではっきりと見え始めたということが、電源構成を見てもわかります。日本も遅れている場合じゃないのです。そして電気だけがエネルギーであると考えるのは、全く間違ったエネルギーのイメージを作ってしまうことは、最終エネルギー消費のページで分って頂きたいと思います。

以下の文は一時的なIEAのHPから作成されました。

以下の文は近いうちに修正します(2020/2/11時点で記入)

IEAの図から始めます

このページの理解には、最終エネルギー消費のページを先に読まれることを、お勧めします。

最終エネルギー消費のページに行く

最終エネルギー消費の説明をIEAの図から始めました。一次エネルギー供給の説明もIEAの図から始めましょう。

右の図は2016年の日本のエネルギー消費を、一次エネルギーから示した物となっています。この図もIEAのHPに自分で入って、直接見てもらうことをお勧めします。日本の最終エネルギー消費を見るとき、国をJapanで選んだ後、BalanceとFinal consumptionから選択しましたが、Balanceを選択すればこの図がでます。図の一番左を見てください。電気がないでしょう。電気は一次エネルギーではなく、何かのエネルギーから精製されなければならない、二次エネルギーとなっているからないのです。この図で、一番左にあるのが、一次エネルギーになります。

左の一番上が石油(oil)ですがimp(輸入)とprod(国内生産)に分かれたものが、合流します。石油も石炭も天然ガスも、prodは恐ろしく細く、impは逆に非常に太いことが解ります。そして石油、石炭、天然ガスが、他の一次エネルギーを大きく引き離して、太い線になっています。現代日本は、この三種の化石燃料に強く依存し、またそれもほとんどを輸入に頼っているのです。この有様が長期間続いているので、皆当たり前と考え、深く考えることをしませんが、後の世の人が不思議に思うほど、異常なことであることは間違いありません。他の国ではこのようにprodの割合が小さい国はなく、半分以上はprodで持っている国が通常なのです。

図の解釈を続けましょう。顕著なことがあります。右に見ていくにしたがって、ちょうど中央あたりに大きな分岐が、石炭とガスに起こります。そして大部分がpower stationに流れます。これはエネルギー製造所、日本の場合熱供給がほとんどありませんから、power stationは発電所を意味します。輸入された大量の石炭や天然ガスの大部分が、発電所に送られ電気に代わります。その量を見てみましょう。power stationの上でクリックすると、グラフと値が表示されます。その量は189.6Mtoeです。一方電気を現す青い線が右に出てきますが、その値を読むと、90.4Mtoeとなっています。差し引き99.2Mtoeのエネルギーロスがありますが、これが発電効率を表しています。エネルギー保存則から、エネルギーは変換することが出来るが、量は変わりません。189.6Mtoeのうち、90.4Mtoeが電気エネルギーに変わりました。残りは熱エネルギーとなります。ほぼ100Mtoeの熱エネルギーは、熱エネルギーとして、発電所近くの海に捨てられているのです。ここでの図でも、power stationの右下にpower lossesとして電力を現す線とほぼ同じ太さで下向きに線が流れています。

近年日本近海の海水温が上昇していますが、この主原因は、発電の際の熱エネルギー放出にあると考えるべきであると思います。もちろん大手電力会社は、そのようなことを一言も言いませんが。しかし日本近海の温度上昇は、理科年表に事実として掲載され、2℃を越えるところもあります。そして海水温の上昇が引き起こすのは、水温上昇を嫌う魚の、日本近海からの逃避であり、また日本近海での台風の強化であることは、常識的な理科の知識が教えてくれることです。

改善策は?

改善策はあるのでしょうか?

大変だけどもちろんあります。発電所からの排熱を減らせば良いのです。

一番悪いのは原発です。原発はこの意味でもやめるべきでしょう。原発は効率が良いと人は思いがちですが、原発の平均効率は1/3ほどで、2/3は熱として海に捨てられています。2016年のデータから見ると、power stationをクリックすれば、水力は6.8Mtoe、核は4.7Mtoeの量が一次エネルギーとして消費されています。風力や水力での発電では、一次エネルギーは発生する電気エネルギーと同じであると、IEAでは統計を取っていますから、(要は一次エネルギーの定義が難しい)、水力では6.8Mtoeの発電量があった訳です。水力発電は、海に熱を流すことはしません。一方原発での4.7Mtoeのうち、電気に変わったのは1.6Mtoeだけであり、3.1Mtoeの熱が海に捨てられました。鳴り物入りで再稼働した原発は、2016年の日本の電力の約3%を供給しただけであり、大して役に立っていないのです。

更なる改善策は?

更なる改善策は、電気エネルギーの消費を下げることです。最終エネルギー消費のページで指摘したように、日本は異常に電気依存率が高いのです。ドイツが19%程度であるのに対し、日本は29%にのぼります。これを何とかしましょう。

電気に変えた方が良い物もあります。石油を使う自動車を電気で移動するものに変えていく。当会が主張するLRTもその一環です。LRTに対して、電気自動車で良いじゃないかという意見は、必ずと言っていいほど出ます。しかし最終エネルギー消費のページで示したように、電気自動車はエネルギー消費の実態から見て、全く普及していない。

また、運輸部門のエネルギー消費で見て解るように、鉄道で使われている電気エネルギーは、非常に小さいことが解ります。道路を走る自動車ではなく、鉄道を走る電車であるからこそ、根本的に省エネが達成されるのです。バスでなんとか済ますという発想は、時代遅れだと知りましょう。

このページと最終エネルギー消費の二つのIEAの図の関係

このページのIEAの図と、最終エネルギー消費のページのIEAの図を見比べてみましょう。

もし貴方がIEAのHPで図を見ているなら、二つの図の比較は簡単にできます。左のメニューのJapanの下にある、BlanceとFinal consumptionの選択を、切り替えれば図が直ちに切り替わります。

すぐ解ると思いますが、最終エネルギー消費の図は、このページの図の右半分、それもpower stationの右から切り離したものになっています。もちろん単に切り離すだけではなく、細部を精密に解るように作ってあります。良く出来たIEAの工夫です。

このページは、最終エネルギー消費のページと会わせ読むことで、理解が深まります。

最終エネルギー消費のページに行く

ここまで読んでいただいた貴方、もうエネルギーのいっぱしの評論家に負けない知識を得ておられます。なにしろIEAのデータを見ることなく、エネルギーに対する議論が飛び交う国ですから。この良く出来たIEAの図から、世界のそしてオイルショック以来の、エネルギー消費の実態を探索し、エネルギーを通して未来を考えるということを、是非とも始めて下さい。

IEAのデータの解説を、とりあえずこのあたりで止めますが、不十分なところは、今後機会を見て、継続していきます。

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