ホーム温暖化とエネルギーエネルギー消費データⅠ 最終エネルギー消費

エネルギー消費データⅠ 最終エネルギー消費

最終エネルギー消費Ⅰ 分野別消費割合

最終エネルギー消費とは、実際にエネルギーを必要とする現場でのエネルギー消費のことです。例えばあなたの家庭でもエネルギーを消費するでしょう。電気やガス、寒い地方では灯油。最終エネルギー消費の消費現場の一つは家庭です。家庭以外にはどのような現場があるでしょうか? 当然皆さんが働いているなら、勤務先もあるでしょう。学校もあるでしょう。商店でも。

人は何かの産業に従事して社会活動を支えています。すべての産業の現場ではエネルギーを消費します。産業は基本的に第一次から第三次産業に分けられます。

そして忘れてはならないのは交通手段です。人や物資の移動にエネルギーが消費されます。

IEA(International Energy Agency)という組織が、世界中のエネルギー消費を、各国政府から提供させ、エネルギー消費データを公表しています。それによると、日本の最終エネルギー消費は2016年には右図のような割合で消費されていました。画像をクリックすれば拡大されます。日本のエネルギー消費は原発事故を挟んでも、ここ10年以上あまり変わっていません。大まかにこの形を頭に入れることは、エネルギーの議論をするうえで、確固たる基盤を与えてくれるでしょう。

工場でのエネルギー消費は大きいのは当然ですが、運輸部門(交通)でのエネルギー消費は、ほぼそれに匹敵する大きさを持っています。また非エネルギー利用が意外と多いのにもびっくりされる人も多いのではないでしょうか? 非エネルギー利用とはなにかは、次の節で説明します。家庭と第三次産業は、ほとんど同じ量を消費していますが、第三次産業のほうが少し多い。実は家庭より第三次産業のほうがエネルギー消費は大きいのだという国は、日本以外にないのです。ひょっとして香港とシンガポールはそうなっているかも知れませんが。

また一次産業が少ないのには、多くの人が驚くのではないでしょうか? 日本の一次産業の品質には定評があります。一次産業のエネルギー消費に、もっと補助を出して、一次産業を活性化しても、負担は大きくないことになります。自治体の皆さん、知ってましたか? また消費が小さいことは、自然エネルギーで十分間に合う可能性が高いことを意味します。地域の自然エネルギー投入の場として、大きな可能性を持っているのです。

最終エネルギー消費の分野別割合

最終エネルギー消費とは何かー詳しい説明

エネルギーについての議論は盛んにおこなわれていますが、議論が正しく回らない場合が多いようです。それはエネルギーについての基本を理解しないまま、議論を行う人が多いからでしょう。また本当はエネルギーの考察を議論に入れて物事を考えなければならないのに、それを避ける傾向も多いように思われます。例えば交通問題を考えるとき、エネルギーの考察を避けて通れません。上で見たように交通は、工場に次いでエネルギー消費が多い部署なのです。工場は技術者がたくさん働いていますから、工場にある機械についてのエネルギーは、彼らが考えるでしょう。しかし交通部門は現代人すべてがかかわりますから、すべての人が交通のエネルギーを理解しなくてはならないのですが、実態は全く逆であることを、いやというほど見てきました。

エネルギーは基本を理解すれば、難しくはありません。中学生でもわかるようなことばかりです。

最終エネルギー消費をきちんと理解するのは、エネルギーの基本の一つです。最終エネルギー消費とは、エネルギー消費現場で消費されるエネルギーのことです。では最終エネルギーには、どのようなものがあるのでしょうか?

皆さんは家庭で電気というエネルギーを使うでしょう。家庭はエネルギー消費現場の一つです。家庭では電気以外にも、通常ガスを使うでしょう。ガスはガス提供会社から提供されます。また寒い地方では灯油を使うでしょう。

つまりすぐわかるように、家庭というエネルギー消費現場では、電気、ガス、灯油などのエネルギーを消費します。統計を意味もなく複雑にしないために、エネルギー消費の統計上、電気はそのまま電気と分類されます。ガスはほとんどが、天然ガスを多少のにおいを加えて、そのままガス会社から提供されます。そこで分類上天然ガスという分類になります。

灯油は石油です。原油から生成されます。原油はそのままではほとんど使用されません。ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油などに生成されてエネルギー消費現場に送られます。これらはひとまとめに石油製品と呼ばれます。地方によったらプロパンガスをガスとして使っている地方もあります。プロパンガスも石油から生成されますから、石油製品として分類されます。またプラスティックなど、石油から生成される製品があります。これも最終エネルギー消費に数えられますが、非エネルギー利用と呼ばれます。これらに強く依存しているので、現代社会は石油が使えなくなれば、つまり石油製品がなければ成立しません。

最終エネルギー消費は、エネルギー供給会社が消費者に販売しますので、その量はきちんと管理されています。最終エネルギーはエネルギー供給会社が一次エネルギーから生成してエネルギー消費現場に送ります。一次エネルギーの説明は、別のページで行います。

最終エネルギー消費の分類Ⅱ 種別割合

今度はエネルギー消費を、エネルギーの種類別に分けてみましょう。つまり電気、ガス、石油などがどのような割合で使われているのでしょうか?

日本ではエネルギーと言えば、すぐ皆が電気と考えますが、その発想は正しいのでしょうか? 右の図で確かめましょう。やはりクリックで拡大します。

エネルギー則電気と考えるのは間違いだと気が付かれたでしょうか? エネルギー消費の約半分は石油製品が使われているのです。そして30%程度が電気となっています。原発事故で節電が叫ばれたのは、つい7年ほど前のことでした。その時確かに少し電力の消費が減りました。このデータは2016年のデータですが、事故前の値にほぼ戻っています。また日本では、エネルギー供給会社が供給するエネルギーは、電気以外すべて化石燃料です。とても時代遅れです。これもエネルギーと言えば電気と発想する短絡的な姿勢を、エネルギー供給会社に操られた結果と私は考えています。

環境先進国のドイツと比べてみましょう。右にドイツのデータを示します。

エネルギー即電気と考えるのは、環境や持続社会構築の観点からも、望ましい態度ではないことが示唆されてはいないでしょうか? 日本のエネルギー関連の人は、好んでエネルギー多様性という単語を口にしますが、日本とドイツのこの二つの図を見たことがあるのでしょうか? 単に原発を発電の方法として確保したいからだけの理由だと思いませんか?

また環境を問題にする人も、自然エネルギー導入と言えば、自然エネルギー発電と考える人が多いですが、ドイツはむしろ電力の割合を減らしているのです。例えばバイオ‐ごみは最終エネルギー消費の7%を占めていますが、これは電気に変えられずに、そのまま燃して、あるいはバイオディーゼルとして、つまり燃料として使われているのです。エネルギー即電気とか、自然エネルギー即自然エネルギー発電とか、そのような短絡的な発想はやめるべきでしょう。

また面白いことに熱という最終エネルギーの形態があります。これは発電所が電気を生成すると同じように、発熱所が熱を生成して、それを消費現場に配給するのです。これも電気に変えることなく、燃料を燃して、そのまま熱として配るわけで、寒い地方ではこのほうが効率よく限られた燃料から熱を得ることができる場合に有効となります。ドイツだけでなく、北欧では多く取り入れられている形態で、関係者はもっとこの事例を勉強するといいと思います。

限られた熱を有効に利用するには、断熱(熱を逃がさない)という発想が大切になります。そのような観点でエネルギーを考察することは、非常に重要なことです。

ドイツの下に隣国オーストリアのデータを示します。ドイツで指摘したことは、ここではおおむね増幅されて現れていると思います。日本の地域では北海道や信州などよく似た自然環境が見られるでしょう。参考になることも多いと思います。

最終エネルギー消費のエネルギー種別割合

同上。ただしドイツ。

同上。ただしオーストリア

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