ホーム温暖化とエネルギー異常気象についての考察

異常気象についての考察

2018年七夕大豪雨

2018年7月7日現在、気象庁が言う「数十年に一度」の災害をもたらす豪雨が、西日本を中心として広範囲に、荒れ狂っています。もともと梅雨の終わりには、雷が鳴ったり、しとしとと降る梅雨が急に強くなったりしていました。有名な芭蕉の句も、梅雨の末期なのでしょう。

しかし近年豪雨の度合いがひどくなっているように思います。以前は「異常気象」とマスコミも騒ぐのを常としていましたが、今回異常気象の言葉は出ず、「数十年に一度の災害」という言葉で、ああこの程度の豪雨は数十年に一度起こるのだな、という印象を多くの日本人が受けてしまいます。しかし南駄老現在70歳ですが、物心ついて65年、過去に梅雨の終わりにこれだけの豪雨が降っただろうかと考えると、思い当たりません。科学少年として小さな時から気象に関心があったのですが。

逆に近年の豪雨を思い出します。何年前になるでしょうか、やはり広島を襲った豪雨のときは、広島ではかつてこのような豪雨はなかった、と言っていたような。その後に広島に旅行したときも、広島お好み焼きの店の人が、広島ではこんな豪雨はなかったと、言っていました。つまり数十年に一度巡ってくる豪雨ではなく、近年増加しつつある豪雨と考えた方が良いんじゃないだろうか、という気がします。そうしたら、また数年後にも起こりうる現象かと。

半月ちょっと前、大阪ー京都に大きな地震がありました。地震も近年増えつつあるようです。

地震と豪雨の増加。昔だったら何かのたたりと考えられたでしょう。

地震も豪雨も自然現象ですから繰り返し起こりえます。そしてある時期集中するのも、単に確率ー統計の話として理解できます。

地震も豪雨も自然のエネルギーによって引き起こされます。

そこで人類が利用するエネルギーに変換しやすいかどうかを考えて見ましょう。

まず地震です。これは今まで地震エネルギーを自然エネルギーとして使うという事例もないし、そのような試みもないでしょう。地震エネルギーと、人類の消費するエネルギーは、関連性が低いのです。地震エネルギーを利用することは難しい代わりに、人類が使うエネルギーも地震には影響を与えないと考えて良いでしょう。地震の頻発は、単なる偶然なのです。

一方豪雨はどうでしょう。雨をはじめとする気象は、人類のエネルギーとしても、早くから活用されています。帆船や風車の風力。雨は水力を生みます。つまり人が利用するエネルギーに変換しやすいのですが、逆を言えば、人が使うエネルギーが気象に影響を与える可能性もあると言うことです。以上一般論でデータとは関係ありません。でも発想の元としては大切と考えます。

次にデータを二つ見てみます。日本近海は昔に比べて温度が高くなっていることが国立天文台監修の理科年表を見るとわかります。

もう一つデータは次です。現在日本の電力の大部分は火力発電で作られています。そして日本の現在の火力発電の平均効率は約40%です。

以上二つのデータを使って推論します。まず第二のデータの意味から始めます。第二のデータは、化石燃料を燃して作られた熱エネルギーの40%が電気に変ることを意味します。残り60%は海に捨てられます。言い換えれば10万キロワットの火力発電所は15万キロワットの熱で、海を暖めています。原発の効率はさらに悪く、33%。原発一基およそ100万キロワットの発電量ですが、これは200万キロワットで、海を暖めてもいます。

昔の火力発電機はもっと効率が落ちました。少ない発電量で、それだけたくさん海を暖めていたのです。戦後発展を続けた日本経済とともに、発電所は海を暖め続けた。このエネルギーが日本近海にたまっているのです。温度が一度くらい上がってもおかしくはない量となるでしょう。

気象は自然現象です。気象が持つエネルギーは、太陽からのエネルギーの流れそのものです。気象が四季を通じて変化する豊かな昔ながらの現象であることは、人工的なエネルギーの流れである、人間活動にともなうエネルギーが気象を決める第一要因でないことは、自然エネルギーの莫大さを証明しています。もしこれが逆なら、気象は人類の活動で主として決まってしまうという、四季さえもなくなることになるでしょうから。

気象には梅雨や台風という自然な乱れがあります。人工的に暖まった海は、その自然な乱れを増長し、風や雨のエネルギーを増加させることが出来ます。実際台風は暖かい海で勢力を増加させ、北進し冷たい海に当たれば、勢いをなくし徐々に消滅することは、自然現象として知られていることです。日本近海が暖かくなれば、日本に接近しても台風の威力が衰えないというのは、近年実際に観察されていることです。

梅雨の末期、自然現象として、太平洋高気圧が、北の大陸の気団を押し上げ、日本をすっぽり包むための活動をします。そのとき比較的冷たい気団が暖かい気団に取って代わられるという、気象の乱れがおこります。かつては雷を伴う程度で済んでいた乱れが、かつてない規模の豪雨をもたらしていると、考えられるのではないでしょうか。

以上簡単なデータを元に、エネルギーに関する基礎的な性質の考察と、初歩的な気象の考察によって得られる結論です。