ホーム変わる交通手段カールスルーエLRTの車窓から

カールスルーエLRTの車窓から

郊外では単線です

カールスルーエLRTは素晴らしい路線網を誇ります。人口30万ほどの街がこのような電車路線網を誇れるのは、そこに様々な工夫があるからです。そしてその路線網は決して一朝一夕で出来上がったものではありません。長い間の関係者の努力と市民の理解行政のサポートがあったからこそ、可能になったことです。ここではその様子を運転席の横の車窓から撮った写真で見ながら考えていきましょう。

単線のLRTをDBが追い越していきます

LRTの線路からDBの線路へ

カールスルーエLRTは既存の路線をうまく使っています。DBは日本のJRに相当する旧ドイツ国鉄ですが、地方のDBの線はあまり使われていません。それは日本と同様です。DBが走行しない時間を有効利用して、カールスルーエLRTは巧みに路線網を広げてきました。DBの路線に乗り入れているわけですが、それを実に巧みに、乗客も気が付かないうちに乗り入れるのです。その有様を一連の写真で見てください。最初の写真をクリックして拡大し、その後左下のNextをクリックしながら連続写真で見てみるとよくわかります。

最初の写真ではLRTの単線の路線を走っています。分岐線が見え、DBの対向車線につながっています。二番目の写真ではその分岐線に入って対向車線に向かうさまが見て取れます。三番目の写真では対向車線に乗ったLRTから、直ちにDBの巡行車線への分岐線が見えます。そしてLRTは巡行車線にむかうのです。


どうです。上手でしょう。その後LRTは単線も引く必要がなく、市の中心から20kmも離れた場所まで、いくつもの路線を拡大しているのです。DBの駅は郊外では離れていますが、LRTはちゃっかりとDBの線のわきにLRTの駅をこしらえて、あたかもLRT独自の線であるかのように、路線網を設計しているのです。

カールスルーエLRT路線網はこのようにして、隣接する大都会シュトゥットガルトLRTの路線網よりずっと広い路線網を作り出しました。シュトゥットガルトはドイツのデトロイト、日本でいえば名古屋でしょうか? 名だたるドイツの自動車会社の本社が集中している都市ですが、でもそれでもLRT網を持っているのですよ。そのことも現在の日本との大きな違いですね。自動車産業が盛んな街でも、先を見越してLRTを進めているのです。

LRTの線からDBの対向車線へ

対向車線に乗る

対向車線から

DBの巡行車線に乗る

郊外では自動車顔負けの速さです

郊外では自動車顔負けの速さで走ります。日本での郊外電車と同じ感覚です。郊外でも路面電車ですから、自動車と並走するのですが、ほぼ同じ速さで走っていることを、車窓から見ることができます。写真はLRTの車窓から見た風景ですが、LRTは右下方向に走っています。左上に小さく自動車が映っていますが、LRTを追いかけるように走っているのです。一番目の写真をクリックし、Nextで次の映像に移るとよくわかりますが、二番目の写真になっても、追いかける自動車との距離は変わりません。一方はじめは近くにいた対向車は、二番目で大きく離れていることがわかります。ビデオ映像から抽出した画像ですが、ビデオ映像では自動車がLRTに追いつけないさまがよくわかります。時速は100キロ程度出ているのではないでしょうか?


郊外では自動車と同じ速さで走ることは、他の街のLRTも同様になります。路面電車が遅いから自動車の邪魔になるというのは、古い間違ったイメージなのです。

自動車が追いかける1

自動車が追いかける2

LRTの進行に合わせて信号が変わります

これもカールスルーエLRTの車窓からですが、他の街も取り入れているところが多いシステムです。

街中なのですが、トランジットモールではなく、自動車と並走する道路になっています。二つの写真で並走する自動車が多いなと思われるでしょう。実はLRTは走行しているのですが、最初の写真の直前まで信号が赤だったので、自動車は並んで停止しているのです。最初の写真では信号が黄色になっているのが見えます。写真中央より少しだけ左上の位置に信号があります。


二枚目の写真はその直後です。左に見える黄色のトラックと乗用車の位置から直後だと解るでしょう。信号を見てください。青に変わっています。右に並んで止まっていた自動車は動き出しているのですが、写真では分かりにくいですね。でも大事なことは、LRTが近づくにつれ、信号が赤から黄色そして青に変わったことで、信号に左右されずLRTはスムースに走行していることです。


LRT優先の信号で、交通がむしろスムースに流れているのです。

信号は黄色

信号は青

トランジットモールを車窓から見る

トランジットモールを車内から見てみましょう。人々がゆったりと歩行しています。誰も電車を気にはしません。自由に動ける自動車は、歩く人にとって近くに来るだけで怖い存在です。一方電車は軌道を外れませんから、ゆっくりと走る電車を、歩行者が怖がることはないのです。人と電車が共存できるゆえんです。

乗客にとってもメリットがあります。ゆっくり走る電車の窓から、ウィンドウショッピングが楽しめるのです。これは沿線の商店にとってもメリットですね。気に入ったお店を車内から見つけた乗客が、次の停留所で降りて、お店に来てくれるでしょうから。


広い路線網を誇るLRTを持つカールスルーエ。その中心街はLRTであちこちから集まった人たちでにぎわいます。中心街を破壊する自動車社会と中心街をにぎわすLRT。その違いをこのトランジットモールの写真は教えてくれるのではないでしょうか? そして自動車の便利さは石油時代の終焉とともに終焉するが、エネルギー消費が極端に少ないLRTは永続的な都市空間を作り出す。そのことをえねるぎぃっ亭は強く訴えたいと思っています。

トランジットモールを車内から見る

乗り降りを見てみましょう

乗り降りを見てみましょう。車両は低床で、ホームは緩やかにのぼりのスロープを作ってありますから、乗り降りに全く段差がありません。バスではとてもこのようにはいかないことは、日本では皆経験しているわけです。年配の人にも車いすの人にもとても優しい仕組みになっています。写真には降りた客がそのまま車両の前を横切って道の反対側に行こうとしている人も映っています。


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