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山では水力ケーブルカー

馬路村の水力ケーブルカー

水力ケーブルカーというのがあるのをご存知ですか?水力発電とは関係ないのですよ。写真は高知県馬路村の水力ケーブルカーです。日本で現存するただ一つの水力ケーブルカーです。

この水力ケーブルカーは一両だけでできています。上の駅にある滑車の反対側に取り付けられた錘と、釣り合いを保っています。車両にはタンクがあって、タンクに水を入れたら、車両は錘より重くなり、下に下がっていきます。反対にタンクの水を吐き出したら、車両は軽くなり、錘にひっぱりあげられます。簡単な原理で動くのですが、まさに自然エネルギーを利用した乗り物になっています。川の上流近くに上の駅を、川の下流に下の駅を作れば、川の流れを利用して上下する乗り物になります。急な川が多く、水量豊かな日本に、うってつけの乗り物ではないですか?

そんなもの作って何になると考える人は、自然エネルギーは社会を変えることを思い出してください。自然エネルギーは過度に集中した都会を嫌う。むしろ自然に満ちた地域を好む。自然エネルギー未来社会は、豊かな自然に恵まれた地域を、上手に利用することで成立しますが、まさにそのために有効な乗り物なのです。


写真を拡大してみてください。一枚目は全景を、二枚目では水色のシャツを着た運転手さんが、子供に説明している図で、子供は身を乗り出して楽しんでいます。三枚目の写真は注水中のケーブルカーで、水色のシャツの運転手さんが少し見えています。

ホームページの表紙の写真は、ストラスブールのLRTと馬路村の水力ケーブルカーを合成したものだということ、お判りでしょう。

馬路村の水力ケーブルカー

運転手と子供

ただいま注水中

ドイツ‐ヴィースバーデンの水力ケーブルカー

ヴィースバーデンはフランクフルト空港からすぐのドイツの古い街です。ここに代表的な水力ケーブルカーが残っています。ドイツに行かれたらちょっと寄ってみてはいかがでしょう。町はずれのネロタールという場所にあり、ネロタール鉄道と呼ばれています。ここの水力ケーブルカーは、通常のケーブルカーのように二両で構成され、片方が登ればもう一方は下る構造になっています。下る車両はタンクに水を湛えているので重く、上る車両はタンクを空にしているので軽くなっており、重い車両が軽い車両を引き上げます。水の重みだけが動力なのです。

写真1は上っていく車両です。写真2には下の駅で水を吐き出しているさまが写っています。写真3は上る車両から下る車両を見たものです。今見えている対向車両が、乗っている車両を引き上げているのです。

写真4はケーブルカーのデータです。1888年9月25日に完成とあります。軌道幅は1メートル。軌道の長さは438メートル、高低差は83メートル、最大傾斜は25パーセントとありますね。そうそう%で測る傾斜ですが、角度とは違います。傾斜25%とは100m進んだら、25m高度が増すという意味です。軌道の長さが400mで高低差が80mだと傾斜は20%。つまりこのケーブルカーでは最大傾斜が25%、平均傾斜が20%程度になっているのです。角度30°と勘違いしないでください。写真からわかるようにそんなに大きな傾斜ではありません。

ポルトガル‐ブラガの水力ケーブルカー

ポルトガルは南蛮文化を日本にもたらした国。歴史上重要な国ながら、あまり日本では知られていない国となっています。ポルトガルは海岸線近くに山が付きだしている場所が多く、坂が多い国です。そのためリスボンの名物にケーブルカーがなっていたりします。リスボンのケーブルカーは水力ではありませんが、ブラガという町に水力ケーブルカーが残っています。

ブラガはポルトガル北部にある街です。この辺りはミーニョ地方と呼ばれ、ポルトガルの発祥地域としてポルトガルの人々に大切にされています。特にブラガは祈りの街と呼ばれ、大切な街なのです。

ポルトガルでは、リスボンは遊び、ポルトは働き、コインブラは学び、ブラガは祈ると言われているのです。面白いでしょう。

なぜブラガは祈ると言われているかは、小高い丘の上の教会が原因です。この教会はボンジェズス教会と言って、カトリックの巡礼の教会の一つなのです。小高い丘の上にあるので、人々は上っていかなければなりませんが、上る途中の道が様々に美しく設計され、歩いて上ると結構楽しいのです。

ところが年老いた人などにはこれは過酷な試練となります。そこで19世紀末に水力ケーブルカーが作られました。一番下の写真に、ポルトガル特有の装飾石畳にあるように、1882年の作です。

最初の写真は降りていく車両から登りの車両を見たものです。この車両が対向車両を引き上げています。二番目は上の駅で注水している有様で、注水管が写っています。三番目は今まさに下り始めた車両なのですが、元の動画を見れば、まさに落ちていく感じの加速である事がよくわかります。


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