ホーム持続社会を妨げるもの環境問題って何だろう

環境問題って何だろう

気候変動とコロナウィルスはどちらも化石燃料大量消費の負の側面です。

気候変動はこれまで常に取り上げられてきた問題です。人類のエネルギーの大量消費が問題の基にあります。

コロナウィルスも石油大量消費文化が生んだ問題です。

ピンと来ない人がいるかも知れません。順を追って考えて見ましょう。

新型コロナウィルス問題は、過去に例があったでしょうか? そういくつか例があります。一番記憶に新しいのはSARSですね。今回同様中国が発生源ですが、動物につくウィルスが人にも移る形に「進化」したと考えられています。そして今回のコロナウィルスも、同じように考えられています。

このように動物につくウィルスが人にも感染するというならば、それは時折起こりうる自然現象です。ウィルスは細胞を持たない原始的な生命体ですから、進化も日常的に起こるのでしょう。そう考えれば、新型ウィルスの問題は、人類にとって昔からあった問題と思われます。

しかしウィルスは細胞を持たないことから、細胞分裂によって増殖できません。そこで感染の対象が必要になります。

それを基に今回のウィルスが100年ほど前、ある村に発生したと考えて見ましょう。あるとき動物から人に感染します。その人は風邪の症状を持ちます。ウィルスが体内で増殖しているのです。そのような状態になると、ウィルスは他人にも感染します。ウィルスとしては増殖の場が増えることになります。こうして感染が拡大します。ちょうど今世界中で起こっているように。死ぬ人が出るかも知れません。でも多くの人は軽症で済みます。直ったらその人の体がウィルスに打ち勝ったことを意味し、その人の体内ではもはやウィルスは増殖できません。ウィルスの死滅です。そしてその人は免疫を持ちますからウィルスがまた体内に入っても、ウィルスは増殖活動は出来ません。言い換えればウィルスはそこで生命活動が出来ません。

村の人が一通り感染すれば、それで終わりです。昔は交通手段が乏しかったですから、村を出て行く人は少なかったのです。村の中で自然に終息していきました。2%くらいの人が亡くなっただけで。

飛行機が飛び交う時代になって、感染が世界に広まることが可能になりました。新しく生まれたウィルスにとって、感染拡大のチャンスは飛躍的に増しました。一つの村の数百人規模から、急激に数十億人の可能性が開けたのです。新しく生まれたウィルスにとって、これほどうれしいことはないでしょう。人類という動物が、実にうれしい環境を作り出してくれたのです。

新型ウィルスは環境問題である

今回コロナウィルスは世界中の人々にとって、甚大なる環境悪化をあたえました。世界中で非常事態宣言が出され、日常生活が破壊されました。フランス大統領は今我々は戦争の中にあると表現しました。

戦争は昔からある人類による環境破壊です。それも昔は兵隊と兵隊が殺し合うだけでしたが、近代戦になって町自身が破壊されるという決定的な環境破壊に変わりました。それを最初に行ったのは、南北戦争のときの北軍だと、アメリカ南部の歴史学者の講義を聴くと教わります。フランスはヒトラーのドイツに制圧された歴史を強く意識している国です。戦争だという言葉で、フランス人の団結を訴えたのでしょう。20世紀の最大の環境破壊は、世界大戦でしたが、21世紀では新型ウィルスになるのかも知れません。

CO2排出が最大の環境問題?

環境問題とはCO2による地球温暖化だ。コロナウィルスとは関係ない、という人がいるでしょう。いやとても多いかも知れません。でも環境って何でしょう?

全ての人は良い環境を求めます。当たり前です。良い環境で生きていきたい。良い環境で仕事をしたい。良い環境で子供を育てたい。だれでも素直にうなずいてくれる、当たり前の言葉ではないでしょうか?

このように環境という言葉は、もともと広い意味を持ちます。そしてある程度発達した都会では、良い環境が確保されていると、皆が暗黙の内に思っていました。幸せにこの町で生まれ、育ち、そして学びに働きに、もっと環境の良い都会に移動し、そこで結婚し子供を育て・・・。

そのような良い環境を、気候変動が壊してしまう。それが気候変動を環境問題の最大の問題とする理由でした。

これだと多少の環境悪化は我慢するしかない、という発想が出てきます。事実朝日系や毎日系のいわゆる左派の論評を見ると、そのような見解を述べる論者が多いように思います。今の経済活動を続けるために、多少の犠牲は仕方がない。でもそれは少しでも軽減することが、現代人の使命であると。

過去の最大の環境破壊は、近代戦であった

しかし日本で最大の環境破壊を経験したのは、太平洋戦争でした。ほとんどの都会が空襲で破壊され、焼け跡闇市から戦後日本は出発しなくてはなりませんでした。焼け跡闇市は、最悪の環境を持つ都市でした。私の子供時代は、物心ついたときには、もはや終戦直後の悲惨さはなくなっていましたが、まだ間違いなくそれは残っていました。傷痍軍人がもの悲しくアコーディオンをかき鳴らして、物乞いしたり。みると片足がない人だったり。私が小学校に入ったのは終戦の9年後です。ちょうど東日本大震災と、それに続く福島原発事故から、コロナウィルス問題が世界を襲っている今が、その9年後であるように。

コロナウィルスは戦争以上の被害を与えるかも知れない

コロナウィルスは、太平洋戦争の最中でも続けられた行事を、その行事が始まって以来始めて壊しています。春の選抜高校野球が中止となりました。太平洋戦争でもなかったことです。三月という学年末に、全国の小中高校がほとんどすべて、休校になりました。これも太平洋戦争下でもなかったことです。これも環境破壊ではないでしょうか? だからフランス大統領は、我々は今戦争のまっただ中にいる、と演説したのでしょう。やはり政治家は勘が鋭いようです。安倍さんの今回のイベント自粛と休校要請は、彼の勘の鋭さが表れているのかも。日本中で危機感が広まったので、日本での感染の広がりは今のところ押さえられています。このまま収まってくれると良いのですが。

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化石燃料大量消費は、戦争以上の被害を人類に与えうる

化石燃料大量消費を継続すると、戦争以上の環境破壊を与えかねないことを、2020年の新型コロナウィルスは証明しました。飛行機がこれからも飛び続ける以上、この危機は繰り返し襲ってくると考えなければいけません。それを乗り越えないと持続社会には近づかないのです。

ジャレット・ダイアモンドによると、アメリカ大陸の原住民と文化が(インカ帝国など)、壊滅的に破壊されたのは、銃による武力攻撃もさることながら、ヨーロッパ人が持ち込んだ細菌に拠ることも大きいそうです。ヨーロッパ史を学べば、ペストなどの疫病が、ヨーロッパを何回も襲いますが、ペスト菌などはアメリカ大陸にはもともとなく、ヨーロッパ人が持ち込んだのを、免疫がない原住民達に急速に感染が広まっていったそうです。現代の新型ウィルスは、悪くすると文明崩壊を招きかねない、恐ろしいものと考えなければなりません。

現代文明はこのままでは崩壊する宿命にある

しかし新型ウィルス問題だけではありません。現代文明はもともとこのままでは崩壊すっる宿命を持っています。何故か? 

現代文明は化石燃料大量消費で成り立っています。化石燃料は有限である以上、それに根ざした文明は化石燃料が無くなった時点で崩壊します。同じくジャレット・ダイアモンドに拠れば、地域に存在するバイオ(木など)を、再生可能な量以上に採り続けた結果、そのバイオがなくなって、崩壊した文明が数多くあるそうです(ジャレット・ダイアモンド「文明崩壊」)。持続可能なエネルギー(自然エネルギー)に頼った社会と文化に基づいて新しい文明を築いていかなければ、現代文明は崩壊するのです。

CO2削減の根底には、そのような危機感があるのです。CO2を削減したつもりになっても、何も解決しないことを忘れてはいけません。
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