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世界は自然エネルギー未来社会に向かっている

日本はCO2削減に成功しているのか?

京都議定書が1997年に取り交わされ、それ以来CO2削減にこれだけ成功しているという宣伝を見るのが日常的になりました。企業も、自治体も、各種団体も、環境と言えばまず第一にCO2削減と言います。そしてそれらすべてが、CO2削減に大きく貢献していると喧伝します。国民はさぞ日本のCO2削減は進んでいると考えるでしょう。でもどれだけ進んでいるかを、実際に見る機会はまずありません。だから日本で本当にCO2削減がどれくらい進んでいるのか、あるいは他の国と比べてどうなのか、そのデータは日本人のほとんどが見たこともないでしょう。

それを見てみましょう。右の図はIEAのHPからデータを読み取って作成した物です。クリックして拡大して下さい。またダウンロードしてプリントして見た方が解りやすいでしょう。上下に二つグラフがあります。

クリックして拡大して下さい。そして本文を参照して下さい。

OECD諸国に於けるCO2削減の比較

上段で示した図の内、上のグラフの説明をしましょう。IEAのHPからデータを読み取り、OECD加盟35国の比較をしたものです。CO2排出量の国別比較と、近年CO2削減に成功してきたかを示す図です。

CO2排出量は当然国の規模によります。そこで国別比較として、一人あたりの年間CO2排出量を取ることにします。単位は一人あたり何トンか(トン/人)になります。最新のデータ(2018年)の世界平均は4.4トン/人です。

CO2削減が叫ばれ始めて、どれだけCO2削減が成功してきたかを見るために、1990,1997,2018年のデータを各国で示しました。毎年の経過を国別に見ようと思えば、IEAのHPで比較的簡単に見ることが出来ます。その見方の説明はこちら。1990年はIEAが公表しているデータの最初の年です。IEAはそれ以前のデータも保有していますから、有料ですがそれ以前のデータを知ることも出来ます。1997年は京都議定書の年、また2018年はIEAが公表しているデータの、最新のものの年になります。日本でのこの三つの年のデータは8.4, 8.9, 8.7(トン/人)となっています。ほとんど変わっていないと言っていいでしょう。詳しく見れば、京都議定書以来わずかに減少しているが、1990年の値までは削減されていません。その様をグラフで確かめて下さい。

他の諸国はどうでしょうか? 日本とほぼ同様なら、日本ばかりを攻めるのはどうかと言うことになりますが。

図をみると解るでしょう。ヨーロッパ諸国を中心として、多くの国が京都議定書の時期よりもCO2排出を削減しています。あのトランプさんのアメリカでさえ、削減しているのです。

最終エネルギー消費に於ける再生可能エネルギーの割合

何故日本ではCO2削減があれほど喧伝され、また多くがCO2削減に貢献していると言っているにもかかわらず、実際はCO2排出量はほとんど変化ないのでしょうか? また何故ヨーロッパ諸国を中心に実際にCO2削減が進んでいるのでしょうか?

CO2削減は持続可能社会を作るためと皆さん思っているでしょう。しかし多くの皆さんが誤解していることがあります。それはCO2削減すれば持続社会になるのではなく、化石燃料に頼らなくて済む社会にすることでのみ、持続可能社会になるということです。理由は簡単です。有限な化石燃料は持続社会を生み出さないからです。

SDGsでエネルギーが取り上げられた機会に、IEAが公表し始めたデータが、renewable share in final energy consumptionです。これは最終エネルギー消費の内何%が再生可能エネルギーから来ているかを示したものです。このページの始めに掲げた図の、下半分がそれに当たります。

素直にみて、この量のほうが解りやすいと、皆さん思いませんか? 

まずこの量がほぼ100%になれば、その国(あるいは地域)はエネルギー的に持続可能と言うことになります。再生可能エネルギーは、ほぼ自然エネルギーと同じ意味とここでは考えておきましょう。自然エネルギーは①太陽起源のエネルギー②地熱起源のエネルギー③地球の自転起源のエネルギー(潮汐)ですから、宇宙的な規模で長期にわたって利用できるエネルギーです。

また一人あたりのCO2排出量以上に、クリアーに変化を映し出しています。例えばドイツを見てみましょう。ドイツはよく環境先進国と言われますが、1997年時点では、この量は日本の値を下回っていました。ところが現在ではこの量は数倍の伸びを示し、日本を凌駕しています。またヨーロッパ各国で、同じような傾向をみることができます。ヨーロッパでは、各国毎に、いや各地域毎に、その地域での自然エネルギー利用を皆で考え、それを推進していったのです。だから結果的にCO2削減が進んだのでしょう。

OECD諸国の中で、日本は悪い方から第四位

再びページ最初に出した図の、下のグラフを見て下さい。CO2排出量と同様20世紀終盤から現在まで、日本ではほとんど変化がありません。20世紀終盤までは、OECD諸国の、ほぼ中くらいの位置を占めていました。ところがヨーロッパ諸国を中心に、急激に再生可能エネルギーの率を上げてきたので、多くの国に追い抜かれ、今や後進グループの雄となってしまいました。かつては水力発電が多いので、この指標で比較的良い値を持っていましたが、その後効果ある努力をやってこなかったので、OECD諸国の悪い方から第四位という結果になりました。

ちなみに悪い方から一位は韓国、二位はイスラエル、三位オランダ、四位日本という順序です。オランダは他のヨーロッパ諸国と同様の変化を、自然エネルギー普及において見せていますから、すぐに日本はワーストスリーの仲間入りを果たすでしょう。

CO2削減というのは、いわばザル法のようなものです。多くの企業、自治体、各種団体が削減したつもりになる。だけど実際の効果は全く見られていないのですから。ちなみに自然エネルギー率が、日本でも少し良くなっているのは、原発事故の後、太陽光発電が急速に普及したからです。しかし自然エネルギー=太陽光発電という発想は限界があります。その発想をやめて、地域自然エネルギーをそれぞれの地域で考えて行く姿勢がなければ、日本がこの後進グループを脱することは出来ないでしょう。

そして将来間違いなく訪れる化石燃料高騰は、資源小国日本では、亡国の災いとして降りかかってくるでしょう。それは今最大の関心を呼んでいる、新型コロナウィルスの危機の比ではないのです。自然エネルギー未来社会では、地域自然エネルギーが、エネルギー供給の基本となるでしょう。エネルギーを輸出入するという発想は、ほとんどなくなるでしょうから。

世界は自然エネルギー未来社会へ向かっている

世界は自然エネルギー未来社会へと向かっているのです。産業革命以来化石燃料時代が続きました。産業革命以前は、世界中がエネルギーとしては風力、水力、そしてバイオ燃料、あるいは地熱というさまざまな自然エネルギーを利用する社会でした。日本もさまざまな自然エネルギーの恵みを使う知恵に満ちていました。潮汐も使われました。汐を見て出航する知恵を持っておりました。

幕末に黒船がやってきました。黒船とは石炭で走る船です。風力で走る帆船は、集中するエネルギーを持つ化石燃料には勝てません。そこで西欧を模倣する明治維新が起こったのです。そして明治政府は殖産興業をスローガンに、産業革命に邁進しました。

集中できる化石燃料は、重大な欠点を持ちました。空間的に集中するだけではなく、つまり狭い空間で大きな値を持つだけではなく、時間的にも同じ性質を持ちます。つまりある期間だけ大きな力を持ちます。何故なら化石燃料が有限だからです。

その限られた時間が過ぎようとしています。産業革命で化石燃料を使い始めた西洋諸国は、それを良く知っているのです。だから自然エネルギーの導入へと舵を切っているのです。

自然エネルギーは不安定だと人々は言います。自然エネルギーはさまざまな物があります。不安定なものもあれば、比較的安定しているものもある。自然エネルギー時代は、それを上手に使う知恵を蓄積していくでしょう。旧自然エネルギー時代がそうであったように。

化石燃料が無くなって、昔の不便な時代に戻るというのかと考える人もいます。そうではありません。産業革命以来技術は進歩しました。自然エネルギー未来社会は、旧自然エネルギー時代と比べて、格段に快適な時代となるでしょう。技術が進んだのですから。なにより電気を使うという根本的な技術の変革がありました。電気は産業革命以前には考えられもしませんでした。

ただし電気はあくまで二次エネルギーです。化石燃料を燃して得られるか、さまざまな自然エネルギーから得られるか。または核エネルギーから得られるか。

技術の進展で得られるエネルギーは二次エネルギーでしかあり得ません。水素エネルギーもまたしかりです。二次エネルギーを生成するのは、あくまで一次エネルギーです。一次エネルギーは、化石燃料・核燃料・そして自然エネルギーしかないのは、未来永劫変わりはないのです。ヨーロッパの人々は、それを知っているから原発の是非を問うことと、自然エネルギー社会を築くこととは、基本的に同じ事だと知っているのです。イノベーションがある、何かあるだろう、だから・・、みたいないい加減な考えを持っては、時代を切り開けないことを十分知っているのです。それは現在の仕組みを利用して、過度に利益を得ている大企業が振りまく、はかない幻想に過ぎないのですから。

一次エネルギーの説明のページを見る

世界は自然エネルギー未来社会へと舵を大きく切っています。思えば化石燃料時代は短い時代だった、そう思う時代が来つつあるのです。ちょうど戦国時代が今から見ればとても短い時代だったように。そして恐らくは戦国時代に生きた多くの人々には、戦国の世が終わるのだという者がいれば、全く理解不可能であったかも知れないように、化石燃料時代は終焉するという真実は、多くの人が見向きもしたがらないことになっています。別のページにその日本特有の現実を指摘しています。ご覧になると納得して頂けるでしょう。

イノベーションという幻想のページへ行く。

大河ドラマ「麒麟が来る」が始まりました。光秀の描き方は、戦国の世を終わらせたいと、強く希望した人物として描かれるような、始まり方でした。

一般庶民はおろか、信長や秀吉でさえ、戦国の世が終わるという発想を持っていなかったと思います。朝鮮出兵を考えたり、実行したりしたのですから。しかし日本海の壁は高く、朝鮮出兵は終焉し、家康の時代になって、一面では否応なしに戦国の世は終焉します。

今の時代はそれに似ているかも知れません。
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