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日本は化石大賞受賞資格がある

日本は化石大賞受賞資格がある

何かと話題をまき散らす小泉環境相ですが、意外に謙虚な方なのですね。化石大賞をご自分が出席した国際会議で受賞され、それに対して国会答弁で「日本は化石大賞受賞資格がない。だから遠慮したい」とはっきりと明言されました。受賞資格がなければ、会議に出ていたのですから、資格がないとはっきりその場で辞退なされば良かったのに。資格がないのに賞をもらうのは、思い上がりというものでしょう。まるでトランプさんがノーベル賞を受賞したがっているように。トランプさんをノーベル賞受賞資格があるとは、ノーベル賞の委員会の中では誰も思わないでしょうからね。

また我が環境相は大変正直な人であるようです。受賞資格がない理由として「日本にはCO2削減に取り組んでいる企業がたくさんある」と明言されました。確かに私たちの身の回りには、善意の企業がたくさんあって、如何にその企業がCO2削減に取り組んでいるかを、事ある毎にテレビのCMなどで聞かされています。それだけたくさんの企業があるからには、日本は間違いなく、CO2削減に大きく貢献していると、国民は全員が思っているでしょう。

でも日本はCO2削減に成功しているでしょうか? 政治は結果が大切です。安倍政権があれだけ批判を浴びながらも生きながらえているのは、何とか日本の経済を表す指標が悪化していないからです。経済指標は様々ありますから、その一部を強調してのテクニックだろうとは、経済に関する門外漢の邪推ですが。

CO2に関するデータは、経済指標に比べて極めて単純です。消費した化石燃料は把握できますから、それぞれの化石燃料が排出するCO2を計算し、それを足し合わせれば、CO2排出量が求まります。必要なのは、消費したエネルギーのエネルギー源をきちんと把握することだけ。そのエネルギー源についてのデータは、石油危機の折にできた国際機関IEAがその使命として把握しています。

日本には化石大賞受賞資格はないのでしょうか? うれしいことに(あるいはひょっとして残念なことに?)国際的なデータは、そうは示していないようです。CO2排出量は、当然国の規模に大きく影響されます。そこで一人あたりのCO2排出量で、さまざまな国と比べてみます。またCO2排出が国際社会で大きく取り扱われ始めたきっかけの一つは、京都議定書ですから、その年の1997年と、データが出そろっている2018年との値を比較してみましょう。下の表をご覧下さい。数値は一人あたりのCO2排出量です。単位は(ton/人)となります。データはIEAのホームページから取りました。

       1997      2018
世界      3.8        4.4
日本      8.9        8.7
EU              7.9        6.3
英       8.8        5.3
独      10.5       8.2
スウェーデン  6.4        3.6
米      20.1      14.9
中国      2.4         6.7

京都議定書の時期と比べても、日本ではCO2削減は、実質上行われていないことが解ります。多くの企業が、あるいは組織が、CO2削減の成果を誇っていますが、その多くはまやかしであると、データから判断せざるを得ません。他の国から化石大賞受賞の資格充分だと、推薦されても辞退するのは難しく、有難く栄誉ある大賞を受賞するのが良いのじゃないでしょうか。

日本国民も「だまされ大賞」受賞資格があることを、大変栄誉にと肝に銘ずるべきでしょう。小泉環境相のお父さんは、原発は安全だと言い張る官僚にだまされたと公言されています。その息子さんは、日本はCO2削減に大きく貢献しているという、企業や官僚達の言うことを真に受け、データも調べないのは、お父さん以上に騙され大賞資格を受け継いでおられるのでしょう。

千年文化を考える会は、CO2というわかりにくい量ではなく、エネルギーで考えましょうと主張しています。最終エネルギー消費の構造、化石燃料起源のエネルギー、太陽起源のエネルギー、それらのことをしっかりと理解して判断すれば、このようなまやかしに引っかからなくなります。それは未来社会建設の為の大切な作業です。

CO2削減はヨーロッパが言い始めました。その根底には、ヨーロッパが始めた産業革命に対する評価が当然含まれます。

エネルギー源を何にとるのかが問題だ。化石燃料にとるのか、自然エネルギーにとるのか? To be or not to be, that is the question.  近代の初期にハムレットは悩みました。

誇るべき産業革命を否定することなく、自然エネルギー社会に移行するにはどうしたらいいのか? そうだ。CO2排出量を指標にすればいいのだ。

ヨーロッパでは、CO2削減は様々な自然エネルギーの大衆的理解と普及に結びついています。だからCO2削減にも成果を上げているのです。

念のため補足しておきますが、上の表で日本の一人あたりのCO2排出量が、0.2トン改善されているのは、企業が頑張ったからではありません。福島原発事故後、太陽光発電を普及させようと、多くの人が頑張りました。そのせいで、自然エネルギー普及率がわずか数年で、急速に増加しました。今や日本の太陽光発電量は、ドイツを凌ぐまでになりました。でもドイツのほうが、自然エネルギー普及率はずいぶんと進んでいます。実はドイツの自然エネルギー発電で、一番発電量が多いのは、バイオガス発電と言って、バイオをガス化し、それを用いた火力発電なのです。さまざまな工夫が結果を生む、それが自然エネルギー未来社会への道なのです。CO2削減で持続社会をというまやかしに乗るのは化石大賞受賞を機にやめようではないですか。化石エネルギーで儲けている企業のまやかしに乗るだけですよ。

ビヨンドゼロだって。およそ解ってない。

安倍さんも環境政策について問われていました。ビヨンドゼロとは何かを問われ、「産業革命以来増加してきたCO2排出量を減少に転ずるという野心的な試み」だと言ってましたが、先進国の内、日本だけがCO2排出量を減少に転じさせることに成功していないことは、上記の通りです。それに対して国会では誰も指摘も出来ないとは、皆日本の技術でCO2削減が進んでいるという神話を信じさせられているのですね。

皆さんデータをしっかり調べることから始めましょう。そしてエネルギーを基に考えましょう。エネルギーは簡単です。疑うなら是非一度、えねるぎぃっ亭をお訪ね下さい。またどんなことでも、このページのお問い合わせページから、ご質問をお寄せ下さい。
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