はじめに

YouTube チャンネル開設いたしました。下記からご覧になってよろしければ登録をお願いします。

NPO法人千年文化を考える会について

 文化庁が京都に移転しました。京都の一住民として、文化庁の皆様を歓迎すると同時に、明治維新以来の日本の大変革の始まりであると私は考えています。一世紀半前、明治維新を成功させるために、天皇が千年続いた伝統を離れ、東京に移住されました。京都の人達は、天皇はちょっと東京に行ってはるだけで、すぐ京都に戻ってきはるやろと、東京遷都とはいわず東京奠都と考えました。
 京都にあって日本のえもいわれぬ文化に触れ、そして遠く未来を考えたとき、現代日本で無意識に受け入れられている現在からみた未来の景色とは遠く離れた景色を、千年の古都京都は現代の日本人に見せてくれるような気がします。
 ちょっと大げさですが・・・・。
 千年文化を考える会は、千年以上続いた日本の文化をもとに、百年後数百年後の未来を考えてみようという趣旨で創立されました。え、そんな夢みたいな話には現実の意味はないでしょ。そう思われるかも・・・。でも人類は宇宙旅行を科学者が夢見初めて数百年。宇宙旅行を論理の力を用いて考えた最初の科学者は、ケプラーの法則で高校でも習うケプラーです。およそ四百年前の17世紀初めの人でした。一方日本人は、千年昔に月から来て月に帰るかぐや姫を、論理の力ではなく豊かなイメージを持って考えだしました。イマジネーションと論理。人の短い命と比べて悠久の時間と空間。数百年先を見通す夢を持ってもいいのでは?
 21世紀初めの日本。数世紀後の日本人は、この日本の現在を何と呼ぶでしょうか? 五百年後の話です。考えるだけでも楽しい想像でしょう。
 私は25世紀の日本人は、ひょっとして2020年代を「江戸時代末期」と呼ぶんじゃないかと考えています。え、江戸時代末期とは幕末のことで、18世紀後半に当るのじゃない? そう思うでしょう。しかし私は18世紀後半の幕末から明治維新にかけての時代は、前期江戸時代から後期江戸時代への移行期だと考えていいのだろうと思っています。つまり今は明治から始まる後期江戸時代末期であると同時に、全体から見た江戸時代末期でもあるのです。武家政権が頼朝が始めた鎌倉時代から始まって江戸時代で終わるように、江戸ー東京政権は、腹黒の家康の時代から始まって、それを受けたやはり腹黒い自民党政権崩壊で終わるのです。何故って?簡単です。江戸(東京)が自滅するのです。未来の人達ー例えば25世紀の人達は、もちろんその理由を歴史で学ぶでしょう。その理由の一つは現代人でもよくわかる政治の腐敗です。地方から東京へ「上京した」政治家たちの質の悪さ、特に「東京」に住みながら「地方」から選ばれる、世襲と化した政治家たちのみっともなさ。それを許した日本の民主主義の底の浅さ。投票率の極端な低さ。
 また戦後目覚ましく復興し経済成長を遂げたのに、成長期は1955年ころからバブルの崩壊の1990年まで続いただけでその後「失われた時代」に入り、現在の我々が知っているように、「失われた時代」はすでに同じ期間続いています。そしてそれはおそらくもっと長く、後世の人は「失われた○○年」を四百年続いた「江戸時代」崩壊の重要要素と考えるでしょう。○○年は、幸いにも短く四十年かも知れませんし、百年かも知れません。悠久の時は、それを現代日本人にゆだねています。
 しかし江戸時代崩壊の最大の理由はエネルギーにあります。25世紀は現代と異なり、化石燃料社会ではありません。間違いなく自然エネルギー社会(再生可能エネルギー社会)になっているでしょう。自然エネルギーには現在東京と呼ばれている都市は適合しないのです。地方から江戸(東京)に出ていった人がみな、産業革命以来続いた化石燃料主導型の時代の終焉と、その結果の考察を決定的に読み間違え、東京と呼ばれる巨大都市の崩壊を許してしまったのが、四百年続いた江戸時代終焉の主たる原因だと後世の人は思うでしょう。
 幕末と呼ばれる前期江戸時代末期が激動の時代だったように、後期江戸時代末期も激動‐少なくとも大変動ーの時代でしょう。大変動の時代を主導するには、十年規模で流行り廃りを生む考えなどは役に立ちません。長いスパンで歴史を見ることが必要です。現代日本論壇が前提とする一年スパン長くても十年スパンでしか物事を見ることが出来ない、超近視眼の東京に蔓延る論壇人も、江戸時代終焉の原因の一つであると、25世紀の人たちは考えるでしょう。
 NPO法人千年文化を考える会は、千年規模の未来社会を皆で考える試みを行う会です。千年先のことなどわかるわけはないと思われるかも知れません。それはその通りです。しかし確実に言えることがあります。それは千年先の未来社会はもはや化石燃料を使ってはいないことです。そしてもう一つ確実なこと。日本は、京都は、これまで千年以上も優れた文化を世界との交流の中で育み、これからの千年も、同じ姿勢を保ちたいと京都の人達は、いや心ある日本人は心底から思っていることです。
 代表小池康郎は物理学者ですが、特に3.11を契機に社会的なエネルギー問題を考えてきました。何故物理学者がエネルギー問題を考えるのかって? それはエネルギーは物理学上の概念だからです。そして物理学は、そのエネルギーについて簡潔な、しかし最も重要でかつ信頼できる科学法則‐エネルギー保存則‐を明らかにしてきました。そのエネルギー保存則を基にエネルギー問題を考えた結果、エネルギー保存則を背景とするエネルギーの本来の意味を多くの人が理解しない限り、現代社会の大問題であるエネルギー問題を解決し、持続社会に向かうことは不可能であると悟り、社会的に信頼できる形態としてNPO法人設立に到りました。科学的にも社会的にも、正しいと認識していただくためです。
 現代社会は皆さんご存じのように、化石燃料を多量に使って成り立っている社会です。化石燃料の大量消費は、ヨーロッパの産業革命で始まりました。そして産業革命以来、社会は大きく変わりました。ユーラシア大陸の西にある一地方であったヨーロッパが強くなりました。最初は石炭が大量に利用され、石炭を使った社会が発達しました。大まかに言えば19世紀のことです。次に石油と大量の電気が使われ、石油と電気で便利な社会が誕生し、それが大きく成長を遂げました。20世紀のことです。
 日本でも「脱炭素」が言われるように、化石燃料社会を続けることは出来ません。脱炭素とは、化石燃料を使わないことです。またそもそも化石燃料が千年後も大量に採掘できるとは考えられないことです。つまり千年後の社会は化石燃料に支えられる社会ではありません。これは確実に言えることです。しかし便利な社会にはエネルギーが必要です。これは化石燃料を大量に消費している現代人すべてが、感じていることだと思います。化石燃料には頼れないが、やはり大量のエネルギーが必要である。そのエネルギーとは? これが現代人の理解すべき、最大の問題の一つです。そしてそれを享受し推進しうる文化とは?
 その回答を得るためには、「エネルギーとは何か」という事から始めないといけないと思っています。「エネルギーって何だろう?」という問いから2011年に活動を開始したのが「千年文化を考える会」の前身です。そして千年後のエネルギー社会を考える為にも、千年の伝統を持つ日本文化が支えになると、徐々に気が付いてきました。そういうわけで、当会は千年後の未来社会を、エネルギーに対する理解を軸に考える会なのです。
 エネルギー理解を基に社会を考えると、必然的に簡単な事実が浮かび上がってきます。それは化石燃料に頼った時代は終わりつつあるということです。何だ当たり前と思われるかも知れません。でもこの事実をしっかり直視しなければならないのです。炭素リサイクルなど、口にする人が絶えませんが、それは単にエネルギーに対する理解がないことを意味します。
 化石燃料に頼った時代が終われば、再生可能エネルギー(自然エネルギー)に頼った時代が始まります。これは持続可能な時代です。持続可能な時代へ向けて我々は成長しなければならないのです。単純にソーラーパネルを導入すれば良いとか、何が一番効率が良い自然エネルギーですかなど聞いてくる人がおられますが、それは愚問です。そういう人にこそ、「エネルギーとは何か」という事から初めて貰いたいのです。そのための一助として当HPがあります。
 再生可能エネルギーに頼る時代は、そのような姿勢からは決して生まれないでしょう。エネルギーを理解し、そして現代社会を考え、その結果現代社会は構造的に持続可能社会ではないと理解して初めて、再生可能エネルギーに頼る持続社会建設の入り口が見えるのです。このHP全体を読んで、少しずつでも好い理解して頂けば、素晴らしい未来が見え始めるでしょう。そうです。それが21世紀を生きる人類が目指すべき未来なのです。

問題ばかりで先が見通せない今現在何を行う?

ここ数年20世紀からの価値観が大きく揺らぎ崩れかけているように見えます。世界を萎縮させたパンデミック、世界を震撼させたプーチンのウクライナ侵攻、それに伴うエネルギー危機、あるいは安倍元首相の暗殺、明るみに出る統一教会と政治家達の癒着、さらには気候変動、方向を打ち出せない与野党。
 これらの問題を考えたとき、21世紀が平穏な世紀と期待するのは、かなり無理があると考えた方が良いでしょう。そのような時代に何をすれば良いのでしょうか?
 一つ一つの問題に適切に対応する努力は必要でしょう。例えばコロナでは各自がうまく対応するしかないと、日本人の多くは嫌でも知ることになりました。しかし今現在日本は世界一コロナが広がっている国の一つになっています。それでも幸いなことに死者は少なくすんでいます。意外なことに日本政府の対応は、医療関係者を初め、日本人多くが、世界に自慢できる対応を各時点で行ったことに助けられて、死者が少ない結果を導いたのであるとも考えられます。 刻々変わる状況を結果的にうまく乗り切ってきたと。
 プーチンが引き起こしたエネルギー危機があります。しかし日本は幸いなことに、天然ガスの輸入はロシアからは8%。石炭や石油のロシアからの輸入はそれよりずっと少ないのです。ヨーロッパ諸国と比べれば、深刻さはずっと少ないでしょう。
 それよりもエネルギー危機が起こりうると、多くの人が気が付いたこと。これは結果的に良かったことと私は思っています。私が東京にいた頃、エネルギー危機を真剣に考える東京の人に、ほとんど出会えませんでした。あの福島原発事故を受けたにもかかわらず。皆そのうち専門家が何とかしてくれると思っていたようです。化石燃料がつくりだした大都市東京を、再生可能エネルギーが支えてくれるに違いないと期待もされました。また専門家もそれに乗じて間違った幻想を振りまいていました。それも仕方ないかも知れません。古い20世紀社会をを支える大切な役割を東京全体で持っていて、それを分担することで東京の人達の、それなりに安定した生活が保障されているのですから。でもそれはどう考えても持続的ではないことに、気付いて欲しいと願っています。そして未来を担う子供達に、持続的でない古い考えを押しつけてはいけません。
 エネルギー危機は起こり得るどころか、間違いなく将来起こります。何故なら化石燃料は有限で使ったら必ず無くなるのです。これに反するようなプロパガンダをエネルギー会社が行えば、その会社を信用してはいけません。しかしエネルギーに対する正しい理解を持ち始めた人は、如何にこの種の会社や組織が多いのかに気づかされて愕然とするに違いありません。化石燃料供給に対する本格的な危機がこのままの日本社会で起こったとき、その危機は現在の危機に比すべきもなく深刻になることは間違いありません。このままの日本社会は、化石燃料でしか支えられないのですから。
 現在の危機の中でこそ、現実を直視しようではないですか? 20世紀社会はその役目を終えつつあります。20世紀社会は明らかに石油と大量の電気に支えられた時代でした。20世紀社会は根本的に持続可能な社会では無かったのです。持続的社会に向けて、社会を大きく変えていくべきなのです。東京一極集中状態からの離脱は、まず第一番に必要なことであると、じっくり考えれば解るでしょう。このHP等でそれを発信して行きます。
 しかしそれに気付くことがない慌ただしい東京で、あらゆる事が決定される。この状態がこのまま続けば、地方どころではなく日本全体が、消滅の危機に陥るのではないか、そのような危機感を感じています。それはまさに日本の自殺です。

このHPでは何を目指すのか?

このホームページは、千年文化を考える会の目的”think, imagine, and create future on the basis of the solar energy “「エネルギー理解を通して未来社会を考え、想像し、そして創造する」を皆様と協力して活動をしていくために、作成されました。
 会の活動は「エネルギーって何だろう」を考えることから原発事故後始まりました。そして毎年会の活動を総括する意味もあって、小冊子を五年間作成してきました。そのなかで徐々に見えてきたことがあります。それをこのホームページではご紹介します。内容は下にある四つの入り口からご覧下さい。四つはそれぞれが独立しており全く別々に見えるかも知れませんが、よく読んでいただければ一つの大きなイメージとして浮かび上がるでしょう。未来に向けた日本のいや世界の復興です。この四つの入り口は、会の考え方の四つの柱への入り口です。四つの柱にはそれぞれ主たるページが1ページ、その下に更に詳しい話題が数~数十ページずつで構成される予定です。全体をまず把握するために、四つの柱の主ページをまず一通りお読みになるのが解りやすくお勧めとなります。下の四つの図の下にそれぞれ文章がありますが、四つの門「考えよう」「学ぼう」のリンクを一つずつ訪問して頂くことで、四つの柱を読むことが出来ます。
とりあえず、ご自身が入りたいと思う門を開いてみて下さい。
                           

エネルギーって何だろう?

「エネルギーって何だろう?」と、基本に立ってエネルギー問題を考えるために、原発事故の年に法政大学自然科学センターで始まったサイエンスカフェが、当会の起源です。エネルギーの基本は簡単です。是非こちらからどうぞ。

エネルギーと社会

現代社会は大量エネルギー消費社会です。そのエネルギーは主として大量の石油と電気であり、その特徴は集中・高密度です。エネルギーの性質は社会に反映します。歴史的に物事を考えることがお好きな人は、ここから最初に入っていくのも良いかもしれません。

琵琶湖疏水

日本に西欧近代の考えが導入された明治初期、長く繁栄した京都が衰退の危機に陥りました。その復興を任された北垣国道第三代京都府知事の解決策は、今の言葉に直せば、地域にある再生可能エネルギーで京都に産業革命を、でした。そして造られたのが琵琶湖疏水です。

LRT

再生可能エネルギーは新しい社会構造を求めます。地域分散型社会です。琵琶湖疏水を立案した北垣の伝統文化に立つ発想が、日本全体に散らばる多くの中小都市に求められます。そのような中小都市を復興しましょう。そのきっかけとして、LRTは最適です。

アフターコロナのプラットフォーム

このホームページでは、持続社会へ向けての考え方を発信して行きます。それは長期的なものになるでしょう。一方コロナがやっと明けかけている現在、人々はアフターコロナに向けて生活を続けなくてはいけません。
 コロナで何が起こったか? 在宅勤務が増えました。巣ごもりで宅配が大きく増えました。地方移住も増えました。これは良いことです。地方分散型社会に移行しなければ、日本の長期的未来はないのですから。しかし東京(圏)に住んでいてすぐ移住できる人は少ないでしょう。大きな方向性が見えれば、今現在行うことの判断にも影響が出ます。貴方もすぐその大きな目標には手が届かないかも知れません。でも考え始めることはできます。
 例えば将来の地方移住を考えるにしても、どこがいいかすぐには解らないかも知れません。それなら勉強しましょう。未来を考え楽しみながら。例えば旅に出るのです。そして自分が住みたいところを探すのです。地方は疲弊しています。住みたい町も疲弊しているかも知れません。応援しましょう。ふるさと納税によって。百年後、千年後に栄えている町は、東京ではなく貴方が見つけたその町です。一方地方都市に住んでいる人は、貴方の町が今以上に輝かなければ、日本の未来はないことを意識して、町を活性化させ、都会からの移住を勧めましょう。
 このホームページは、少しずつ完成していきます。初めは一週間くらいで出来るつもりでした。しかしやってみると意外と時間がかかる。(誰ですかプーチンみたいだと思っている人は?)でもそれだけ価値あるHPにしたいと思っています。このページをブックマークして、時々訪れてください。この下にNews & Informationの欄がありますが、そこに新しいページが完成したら記録します。それを見たら是非新しいページをご訪問下さい。
 また小池康郎のブログとして、南駄老ブログがあります。様々な関連する話題を折に触れて書いていきますから、合わせてお読みください。

南駄老 – えねるぎぃっ亭南駄老のブログ (ene-tei.blog)


 このHPは会のご紹介を通して、皆様にエネルギーを通じて未来社会を考えて頂くことになります。広くエネルギーについての情報を皆様に知って貰うことが会の主要な目的で、そのために活動を致します。しかしどんな活動も資金が必要です。特にエネルギーについては、化石燃料などの大量消費で、潤沢に潤っている会社や組織が、資金にものをいわせて只で怪しげな情報を垂れ流しています。これに対抗して正しい情報を伝えるためには、多くの方の協賛とご協力が必要です。
 当会を応援するための、どなたにでもできる簡単な方法の一つも、ブログに載せておきました。次のリンクからご一読いただければ幸いです。

私たちの活動へのサポートのお願い – 南駄老 (ene-tei.blog)

                 NPO法人千年文化を考える会代表 小池康郎

News & Information